「家族」

第2話「家族」
「ただいまー」
悠木の家は結構広い二階建てである
「おかえり」
「ただいま、雪姉」
「学校では青春してきたかい?」
「相変わらずで青春なんて来てないよ」
「何だ、海斗君との青春はしてないの?」
「何を期待してんだ雪姉・・・」
南条家の長女 南条 雪奈
「というか、今日は調子いいんだな」
「うん、バッチグーだよ」
「よかった。このまま良くなってくれればいいんだけど」
「いやいや、そんなすぐに治ったら苦労しないよ」
「まぁ、確かに」
雪奈は重い病気を患っている
それは現在の医学では治す方法が無いと言われている病気である
「早く治るといいね」
「うん。さ、早く入った入った」
「あ、うん・・・あ」
「どしたの?」
「ごめん、雪姉」
「は?」
「え、と、ずっと立ちっぱなしで話してたから疲れたかなと思って」
「・・・・・・・アハハハハハハハハ!!なーに言ってんの悠木!そんな事ないわよー。心配しすぎだよ悠木はー」
「あ、と、・・・ごめん」
「謝らなくていいよ悠木。心配してくれてありがと・・・」
「うん」
「だけど、あんまり心配しないでね。私は大丈夫だから。・・・さ、いこっ」
「ん、雪姉」
悠木は靴を脱ぎ廊下を歩き右に曲がりドアを開けた
「ただいま」
「おかえりー」
この家では玄関で、行ってきます、ただいまを言い、リビングでもただいまを言うというルールがある。言っても気づかない場合が多いからだ
「あれ、雪姉一人なんだ」
「そーだよー。友達もさっき帰ったよ。会わなかった?」
「いや、会ってないけど」
「何?その残念そうな顔はー。私じゃ不満なのかー」
「いやいや、そんな事ないよ。雪姉のほうが綺麗だし」
「そう?ありがとね。嘘でも嬉しいよ」
「嘘じゃないって雪姉」
「ありがと」
「・・・・・」
「・・・・・」
なんだか変な空気が流れた
「(まずい、何だ、この空気・・・)」
「えーと・・・」
「・・・・・」
「(まずい!いい言葉が思い浮かばん!というか姉弟でこの空気は無いだろ!)」
悠木がうんうん悩んでいた時―――
「ただいまー」
神の手が差し伸べられた・・・のではなく妹が帰ってきただけである
南条家の次女 南条 彩
「あ、お帰り」
「ただいま、お姉ちゃん」
「・・・お帰り」
「ただいま兄さん。?、どうしたの、顔が青いよ?汗もすごいし」
「へ?あ、い、いや別に何もないからな!!」
「なにかあったのお姉ちゃん?」
「いやねー、悠木がねー、私の事をねー、好きだってねー」
「え・・・?」
「ちょっと待てーーい!!」
「もー悠木ったらー、お姉ちゃん照れちゃう~」
「兄さんってそんなんだったんだ」
「いやいやいや、待て、冷静に考えろ彩!」
「うっふふ~」
「(雪姉、この状況を絶対楽しんでる!)」
「兄さんがそんな人だったなんて・・・」
「だから冷静に考えろ彩!俺が雪姉に告白でもすると思うか!?」
「そんなこと言われるなんてショック~。悠木私のこと嫌いなんだ~」
「別にそんな事ないけど。だけど雪姉絶対この状況楽しんでるだろ!」
「うん」
「はっきりとうんって言うなー!今慌てふためいている俺が可哀想だろ!」
「別にー」
「ひでえ!」
「あ、兄さん」
「ん?」
「私が見る限り兄さんはお姉ちゃんに告白する可能性がないとは言い切れませんよ」
「え?マジ?」
「ハイ、大マジです」
「だって悠木ったらいっつも私のこと心配してるんだもん」
「お姉ちゃんの言うとおりです」
「そ、そうか?」
「ハイ」「うん」
「(二人同時に言われた・・・)」
「兄さんも早く姉離れしないといけませんよ」
「う~ん、それはそれでお姉ちゃん寂しいな~」
「兄さんもってことは彩はもう姉離れしてるのか?」
「当然です」
「うわぁ、妹より子供な俺って・・・」
「まだまだですね、兄さん」
「私は別に嬉しいからいいんだけどな~」
「だめです」
「もう~彩ちゃんったら悠木にかまってほしいからそんな事言ってるんでしょ~」
「っな!」
彩の顔が一瞬にして真っ赤になった
「な、な、な、な、何言ってるんですか!お姉ちゃん!べ、別にそんな事はないです!そんな事は絶対ありえません!というか彩ちゃんとは言わないでってこの前いったでしょ!」
「うっふふ~、強がらなくていいよ~彩~この前言ってたじゃ~ん。兄さんいっつもお姉ちゃんばかり心配してる。少しは私も心配してくれないかな。なんて言ってたでしょ。ちょっと脚色してるけど」
「そんな事言ってません!」
「だって寝言だもん」
「人の寝言を聞かないでください!」
ポン。彩の肩に手が置かれた
「そうか彩。そんなに兄さんのことが好きか・・・。大丈夫!もう大丈夫だからな・・・」
「兄さん・・・」
「彩・・・」
そして悠木が彩を抱きしめようとしたその時!
ボカッ
「ぐふぅ!」
「あまり調子に乗らないでくださいね、お姉ちゃん、兄さん・・・」
彩の後ろから言葉では表現しにくいどす黒いオーラが現われていた
「スミマセンデシタ・・・」
雪奈は速攻で謝り
「フヒヒwwwサーセンwww」
と悠木は謝り
ドスッ
「ギャーーー!」
「反省の色なしですか・・・。仕方ありません・・・少し痛い目にあってもらいましょうか・・・」
「はい?・・・えーと彩さん?何ですかその後ろから出てる禍々しきオーラは?」
「安心してください兄さん。じっくり、たっぷりと可愛がってあげますから・・・」
「やべーよ。彩がヤンデレになってるよ」
「ウフフ」
「悠木~、ガンバッテネ~」
雪菜は青い顔になっていた。しかもかなり震えている
「ユキネエ~。タスケテ~」
「ムリ~」
二人は笑いながら最後になるかもしれない会話をしていた
「アンナアヤマリカタシタカラダヨ~。ジゴウジトクダヨ~」
ガッ
悠木の頭が掴まれた
「兄さん、行きましょう・・・」
「俺、雪姉のこと忘れないよ」
「うん、私も」
ズルズルズル
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