プロローグ:転校生
そいつは、唐突に現れ、まるで嵐のようだった。
朝のホームルームで転校生として担任に紹介される。
黒板に書かれた名前。
下の名前は読めるが、苗字は何て読むんだ?
『薄野原』……『ハクノハラ』?
「えっと…皆さん、友達になってくれると嬉しいです!!」
転校したてで、心細いけど、
それでも精一杯勇気を振り絞って、
そう自己紹介したそいつ。
俺はこいつのことが、こんなにも……
「えー、絶対楽しいってー。やろうよー!!ねーねー!!」
こんなにも、面倒くさい奴だなんて思ってもみなかった……
- 最終更新:2012-05-24 23:23:32